ゆっかーの推し★ライダー 第1回 黒木 茜選手 若手からベテランまで、馬場・障害・総合馬術の3種目で菅井友香が注目するライダーの魅力をたっぷり紹介!

ゆっかーの推し★ライダー 第1回 黒木 茜選手 若手からベテランまで、馬場・障害・総合馬術の3種目で菅井友香が注目するライダーの魅力をたっぷり紹介!

第1回 黒木茜選手

20歳で初めて馬に乗り、25歳で本格的に競技活動を始めた黒木選手。海外で経験を積み、2016年のリオデジャネイロオリンピックで馬場馬術日本代表としてオリンピック初出場を果たされました。そして2018年のジャカルタ・アジア大会では、馬場馬術団体戦で金メダルを獲得。選手として日々挑戦し続ける傍ら、老人ホームを経営する社長業もこなすパワフルな黒木選手。そんな彼女は、現在ドイツを拠点にトレーニングと大会出場を重ね、2020年の東京オリンピックで2大会連続出場を目指します。

菅井 友香

20歳で乗馬を始めてから、「馬場馬術選手になろう」と決意したきっかけを教えてください。

黒木 茜

2013年の全日本馬場馬術大会で外国人審判に日本人審判より高い評価をいただいて、本場で馬術を勉強したくなったのがきっかけです。

菅井 友香

今は月の半々、拠点のドイツと日本を往復されていらっしゃると聞きましたが大変ではないですか?

黒木 茜

普段は2週間ごとに日本とドイツを行ったり来たりしていますが、競技などのスケジュールによって日本滞在が1週間弱のときもあります。とても大変ですし、時差ボケもずっと続いている感じです。

菅井 友香

ドイツでの生活はどのような日々を過ごされていますか?

黒木 茜

ドイツでは午前か午後に先生のレッスンを受け、毎日3頭騎乗しています。週1回ヨガとフィットネス、そして最近脱臼したこともあって、理学療法士に週1回身体をほぐしてもらっています。毎日があっという間で時間が足りないです(笑)。

菅井 友香

競技と会社経営の両立をされているのは凄いです。両立する上で大変なところはどんな点でしょうか?

黒木 茜

トレーニングや競技の最中にも会社ではさまざまなことが起きるので、馬術に集中することが難しいときがあります。また、ドイツとの時差が7時間ほどあるため、寝ようと思った頃に日本は朝になり会社も動き始めます。緊急時には深夜に対応をする場合もあるので、そういったことが一番大変ですね。

菅井 友香

そういえば、特技が「時差ボケを早く治すこと」と伺いましたが、どのように時差ボケを撃退されているのですか?

黒木 茜

機内で渡航先の時間に合わせて睡眠時間の調整をして、撃退しています!日本からヨーロッパに向かう際は機内での睡眠時間を短くします。そして現地到着後はあえて少し身体を動かすようにしています。日本に帰国する機内では、日本時間に合わせ、できるだけ睡眠をとるようにします。いろいろ試した結果、これが一番です(笑)。

菅井 友香

黒木選手のブログを拝見したのですが、とても楽しい雰囲気で。ブログの最後に必ず、「ジャンヌダルクになってやる!」と書いて終わっているのはどんな理由ですか?

黒木 茜

私は仕事をしながら、日本とヨーロッパを行き来して競技に挑んでいます。周りに男性が多い中、力強く挑んでいます。年齢、性別関係なく、自分の信じる道を突き進む決意をジャンヌダルクに重ねたことが理由です。

菅井 友香

2016年にリオデジャネイロオリンピックに出場されていますが、やはりオリンピックの舞台は特別な雰囲気ですか?

黒木 茜

オリンピックの舞台は、間違いなく「人生で一番心臓に悪い日」です(笑)。ですが、「人生で一番幸せな日」でもあります。これこそが選手を虜にするスポーツの祭典オリンピックなんだと実感しました。

菅井 友香

2018年には、アジア大会の馬場馬術団体戦で優勝という好成績を残されましたが、東京オリンピックでの目標を教えてください。

黒木 茜

まずは選考を突破しないといけませんが、もし東京オリンピックに出場することができたらもちろんメダルを狙いたいですが、あまりハードルを上げすぎるのもよくないので、まずはチームで入賞を目指したいです。

菅井 友香

ご活躍の最中、2018年、2019年と続けて愛馬を亡くされたと聞きました。お辛かったと思いますが、その悲しみをどのように乗り越えられましたか?また、愛馬たちへの想いをお聞かせいただけますか?

黒木 茜

東京オリンピックに向けて購入したばかりの馬が1カ月で亡くなったときはもちろんすごく辛くて悲しくて…そしてそれと同時に夢とお金も失いました。
モチベーションの保ち方がわからなくなった時期がありましたが、諦める、辞めることはいつでもできる、どこまで続けられるかやってみようと自分を試すことから始めたことが悲しみを乗り越えるきっかけになりました。そんな矢先、リオを一緒に戦った馬が突然亡くなり、「また神様は私に新たな試練を与えようとしている」と思いました。私にとって彼は特別な馬であり、彼がいたから今の私があります。そんな彼までいなくなった現実を受け止めることは容易ではなかったですが、今私が馬に乗ることをやめてしまったら彼から学んだことを生かすことができないと思うように気持ちを切り替えました。そうやってとにかく乗ることをやめなかった結果が、新しい馬との出会いに繋がったんだと思います。

菅井 友香

悲しみを乗り越え、新しい馬と出会い、今は東京オリンピックに向けてどんな準備をされていますか?

黒木 茜

新しい馬を獲得してまだ間がないので、人馬の経験値を上げるために2020年1月中旬からフロリダのウェリントンに遠征予定です。
そこでいろんなことを試してみたいと思います。東京オリンピックはもうすぐそこなのに、まだ馬とのコンビが始まっていないので実感がないというのが正直なところです(笑)。

菅井 友香

馬場馬術という種目で、どのようなポイントに一番注目してほしいですか?

黒木 茜

馬が自ら踊っているように演技をさせるが馬場馬術。こんなこともあんなこともできるんだっていう馬の動きを見てほしいです。

菅井 友香

黒木選手の騎乗姿勢はとても美しくて憧れてしまうのですが、その騎乗姿勢を作るためにどんなことをされていますか?

黒木 茜

姿勢に関しては特段強く意識したことはないのですが、やはり憧れの選手等の乗り方を見て自分をそれに近づけようとすることが近道かなと思います。

菅井 友香

好きなスポーツはボディビル!な黒木選手。トレーニングのこだわりも教えてください。

黒木 茜

私の愛馬は巨大だったので(笑)、とにかく私にもパワーが必要でした。そのため筋トレ等をトレーニングに取り入れていますが、馬術は力のスポーツではないと思っています。今は、怪我をするリスクをできるだけ減らすための身体作りとして、筋トレよりもストレッチをよくしています。

菅井 友香

馬術連盟の公式YouTubeのインタビューで「40歳になって、一番上手くなれる年齢が今。東京まで頑張りたい」とおっしゃってましたが、馬術を始めた20代の頃と比べてどのようなところが変わりましたか?

黒木 茜

馬術を始めた頃は何もかもが新鮮で、何もかもを吸収できるような感覚でした。それからさまざまな知識を得て、経験もさせてもらった結果、20代の頃にはなかった引き出しがたくさん増え、だからこそ今一番上手くなれる気がしているんだと思います。

菅井 友香

若手へのアドバイスがあれば是非教えてください!

黒木 茜

いえいえ、私もまだまだ若手です(笑)
ただ一つ言えることは、馬術の選手人生は長いです。焦る必要は一切ないと言うことです。必ず自分が活躍できる日は来るということを信じ、そして何よりも楽しく馬に乗って欲しいと思います。

菅井 友香

最後に東京オリンピックに向けての意気込みと、ファンの皆さまに向けてのメッセージをお願いします。

黒木 茜

ついに2020年1月から東京オリンピックに向けた選考が始まります。まずは人馬共に怪我をしないようにきちんと体調等の管理を行い、そしてオリンピックまでの一日一日を大切にそして楽しく過ごしたいと思います。笑顔を忘れずに後悔のないよう全力で頑張りますので、応援よろしくお願いいたします!