ゆっかーの東京2020オリンピック観戦レポート
ゆっかーの東京2020オリンピック観戦レポート

馬術スペシャルアンバサダーの菅井友香です。
東京オリンピックは無観客開催でしたが、私はテレビやインターネット配信でオリンピックを満喫しました。

昨年10月に、東京2020大会に向けて全面改修された馬事公苑にお邪魔して、すっかり新しくなった姿に感激し、
このA to Zinbaでも紹介させていただきました。
ところが、オリンピックの中継を見てびっくり!オリンピック用の装飾がされて、“ザ・オリンピック会場”になっていたんです。
それだけで一気に気持ちが盛り上がりました。
その会場に私が憧れている選手が勢ぞろいしているなんて、夢のようでした。

今回の大会は、団体戦は3人馬でチームを組んで、その3人馬の成績がカウントされる方式でした。
今までは4人馬でチームを組んで、その中の上位3人馬の成績をカウントしていました。
ですから、「今回は絶対に失敗できない」というプレッシャーが選手の皆さんにはあったと思います。

ここでは東京オリンピックで行われた馬術競技3種目をレポートします!

  • 馬場馬術
  • 総合馬術
  • 障害馬術

東京2020オリンピック 馬場馬術

最初に行われたのは馬場馬術競技。
私がずっと取り組んでいた種目で、チケットも当たっていたので、会場で観戦できなかったのは本当に残念でしたが、それでも世界のトップ選手とトップホースが日本に来てくれることをとても楽しみにしていました。

日本からは北原広之選手&ウラカン、佐渡一毅選手&ルードウィッヒ、林伸伍選手&スコラリ4が出場しました。皆さん、今回が初めてのオリンピック。
北原選手は49歳で今回のオリンピック日本選手団、すべての競技の最年長。
ずっと情熱を持ってついに夢を叶えられたんですね。
また、林選手は私が乗馬スポーツ少年団で活動していた時の先生だったので、特に注目していました。皆さん、「思うような結果ではなかった」とコメントされていましたが、大舞台で堂々と演技している姿は素敵でした。
私も自分自身が競技に出ているような気持ちになってしまって、両手を握りしめて観ていました。

私の憧れ、イザベル・ベルト選手

私の憧れ、イザベル・ベルト選手

私が特に楽しみにしていたのは、ドイツのイザベル・ベルト選⼿。⼩学⽣の時に、イザベル選⼿が⾳楽に合わせて⾃由演技をしているDVDを観てから憧れていました。
イザベル選⼿と愛⾺ベラローズのコンビは世界ランキング1位。今回もミスのない完璧な演技で、終盤に⽚⽅の⼿を離して、ワンハンドでパッサージュという難しいステップを踏みました。
この時にステップに合わせて拍⼿が聞こえてきて、⼼が震えました。

イザベル選⼿は個⼈戦では2位でしたが、団体戦ではドイツが優勝して、この⼤会で⾦と銀、2つのメダルを⼿にしました。1992年のバルセロナ⼤会でオリンピックデビューしたイザベル選⼿は、これで⾦メダル7個、銀メダル5個、合わせて12個を獲得しました!
⻑い間、世界トップレベルで競技を続けているイザベル選⼿、同じ⼥性としても憧れます。

優勝したのは同じドイツのジェシカ・フォン・ブレドゥ-ウェンドル選手。
とっても優雅な演技でした。

⾺術競技は男⼥の区別がないのですが、⾺場⾺術個⼈戦のメダリストは全員⼥性、そして団体優勝したドイツも3⼈全員が⼥性でした。男性は……団体2位のアメリカと同3位のイギリスに1⼈ずつでした。⾺場⾺術は⼥性のほうが強いですね。

馬場馬術個人メダリストは全員女性

馬場馬術個人メダリストは全員女性


東京2020オリンピック 総合馬術

2つ⽬の種⽬は総合⾺術でした。
⾺場⾺術、クロスカントリー、障害⾺術の3種⽬を⾏うトライアスロンのような競技で、私は特にクロスカントリーを楽しみにしていました。これまで競技をちゃんと観たことがなかったのですが、いろいろな⽅からその迫⼒や魅⼒をお聞きしていたので、ぜひ、世界レベルの⾛りを観てみたいと思っていました。

⼤岩義明選⼿&キャレ、⽥中利幸選⼿&タルマダルー、⼾本⼀真選⼿&ヴィンシーJRAが出場しました。
⾺場⾺術を終えた段階では団体4位だったのですが、翌⽇のクロスカントリーで⼤岩選⼿が落⾺で失権というアクシデントが……。あとでお聞きしたのですが、スタート直前の準備運動で固定障害に肢をぶつけて⾺と⼀緒に転倒してしまったそうです。

⾺が⾃信をなくしてしまって、それを⽴て直す時間がないままにスタートしたため、いつも通りの⾛⾏ができなかったとのことでした。
ここまで緻密に準備をして良い状態で本番を迎えられていただけに、本当に残念でしたが、⼤岩選⼿とキャレに⼤きな怪我がなかったと聞いてほっとしました。これが⾺術競技の難しさだということを改めて感じました。
翌⽇の障害⾺術競技には、⼤岩選⼿に代わってリザーブだった北島隆三選⼿とフェローザニューモードが出場し、減点0でゴールしました。

総合馬術個人4位 戸本一真選手とヴィンシーJRA

総合馬術個人4位 戸本一真選手とヴィンシーJRA

そしてそして、個⼈戦では⼾本選⼿が4位に⼊賞されました!

1932年のロサンゼルス⼤会以来、日本の馬術競技での個人戦入賞は89年ぶりとのこと。
本当におめでとうございます。家で中継を観ながら⼤きな声をあげてしまいました。

競技直後には「⾺場⾺術、クロスカントリー、障害⾺術のすべてで、ヴィンシーのベストに近いパフォーマンスができたので、今はすがすがしい気持ちです。もしかしたら時間が経つと悔しさが出てくるのかもしれません」とコメントされていました。また、「遠くないいつか、⽇本はきっと団体メダルを獲れると思います」ともお話しされていました。
その⽇を楽しみにしています。

今回初めて総合⾺術を3⽇間ちゃんと観たのですが、本当にハラハラドキドキでした。
⽔の中に⾶び込んだり、⾼いところから⾶び降りたり、約4.5kmに30個以上の障害物が並んだハードなコースを勇敢に⽴ち向かっていく選⼿と⾺は本当に格好良かったです。

日本チームメンバーに胴上げされる戸本選手

日本チームメンバーに胴上げされる戸本選手


東京2020オリンピック 障害馬術

そして最後の種⽬は障害⾺術。
私もほんの少しだけ挑戦したことがあるのですが、その時は⾺をリードするというよりも⾺に助けてもらってばかりでした。オリンピックのコースは160cmを超える障害物もある難しいものですが、選⼿はしっかり⾺をリードして、⾺がそれにこたえてクリアしていっていました。⾺と⼈がしっかりコミュニケーションがとれていて、しかも、選⼿がコースを完璧に読み解いているのがわかりました。

この競技には、齋藤功貴選⼿とチレンスキーJRA、佐藤英賢選⼿とサフィアデラックJRA、福島⼤輔選⼿とチャニオンJRAが出場しました。個⼈戦では3⼈とも決勝競技に進出!
これだけでもすごいことだったのですが、福島選⼿は決勝競技でも減点0で⾛⾏して、ジャンプオフ(同率1位の選⼿による優勝決定戦)に進んだんです。
ジャンプオフに進んだ6⼈⾺がここでもみんな減点0という展開で、とってもハイレベル。福島選⼿は6位に⼊賞されました。

障害馬術個人6位 福島大輔選手とチャニオンJRA(お寿司の障害物を飛越しています!)

障害馬術個人6位 福島大輔選手とチャニオンJRA
(お寿司の障害物を飛越しています!)

齋藤選⼿も佐藤選⼿もとても格好良かったです!そして、団体戦では、齋藤選⼿のチレンスキーJRAが、競技直前のウォームアップエリアで肢を怪我して⾎が⽌まらなくなり、棄権することになってしまいました。チームとして成績を残すことができなくなったため、佐藤選⼿とサフィアデラックJRAも棄権されました。
お二人が「⾺のことを考えて、これがベストな判断だった」と話されたと聞いて、ここでもまた、⾺術競技の難しさを痛感すると同時に、これが⾺と⼀緒に⼒を合わせて⾏うスポーツなのだということを感じました。

もう⼀つ、⾺と⼈との絆を強く感じたシーンがありました。⾛⾏を終えた福島選⼿が、競技場から退場する様⼦がテレビに映ったのですが、その時に、チャニオンJRAに「ありがとう!」と声をかけていました。 「ああ、ずっと⼀緒に頑張ってきたんだ」と思ったら、思わず涙が込み上げてきました。

ゴール後に馬を称える福島選手

ゴール後に馬を称える福島選手

そして、私も⼀つ⾃慢したいことがあります!
以前、オリンピックで使われる障害物は、その国らしいデザインのものになるという話をした時に、私は「お寿司障害」が登場するのではないかと予想しました。本当にあったんです(笑)。しかも、クロスカントリーと⾺事公苑での障害⾺術の両⽅に!驚きましたが嬉しかったです。
他にも新幹線、⽇本橋、花札など⾊々な障害物があって、それも楽しめました。

お寿司
花札

お寿司

あっという間の2週間でした。東京オリンピックに向けて、厳しい環境の中、諦めずに夢を追い続けた選⼿の皆さん、そしてその選⼿の気持ちにこたえた⾺たち、また、コロナ禍の中、強い気持ちで⽇本に来てくださった海外選⼿の皆さん、それを⽀えたグルームさんやトレーナーさんたち。
そして、テレビで姿を⾒ることはほとんどなかったのですが、⼤会運営を⽀えたスタッフやボランティアの⽅々。
皆さんのおかげで素晴らしい⼤会になり、私もたくさんの感動と活⼒をいただきました。

今回の⼤会が素晴らしく、そして、それを会場で観られなかったことで、いつか、⾺術の本場ドイツの試合を観に⾏きたいという、昔抱いていた夢が再燃しました。それと、3年後のパリオリンピックも楽しみです。⾺術はヴェルサイユ宮殿が会場なんです。きっと華やかで、きらきらした⼤会になるんだろうな〜と想像して、私もその場にいられたら……と思っています。

皆さんにとってはどんなオリンピックでしたか?
⼀緒に馬術を応援してくださった皆さん、ありがとうございました!