みなさん、こんにちは。
馬術スペシャルアンバサダーの櫻坂46、菅井友香です。
2019年の『馬術スペシャル講座』では、オリンピックで行われる障害馬術・馬場馬術・総合馬術についてみなさんと勉強しました。
覚えていますか?
馬というアスリートと力を合わせて演技をしたり、走ったり、障害物を飛越する馬術競技。
今日はJRA馬事公苑で開催された『メディアのための馬術講座』の様子をご紹介しつつ、馬術競技を深掘りします!

コースを決められた順番通り障害物を飛び越えながら、ミスなく早くゴールを目指す障害馬術。ルールが分かりやすいのが特徴ですが、選手がどのような作戦を考えて馬をリードしているかを知れば、もっともっと楽しめます。

私も3年ほど前に障害馬術に挑戦したことがありますが、馬を気持ちよく走らせるために乗り手も恐怖心を克服して、馬の邪魔をしないようにしなければいけないと学びました。馬が次の障害物を飛びやすいようコースどりを調整することや、歩幅のコントロールをしっかりすることも重要なのですが、それが難しいんです……。

実演してくれたのはJRA馬事公苑所属の吉田匡慶選手とウィンストン。オリンピックでは最大で165cmの高さの障害物が設置されるのですが、この日は130cmくらいの障害物が4つ置かれました。障害物の形状はバリエーション豊富です。そのため、選手はコースを徒歩で下見しながら、障害物の形や高さを考慮してベストな踏み切り位置を確認します。
作戦通りの踏み切り位置に馬を誘導するために必要なテクニックが歩幅のコントロールです。コースをデザインする際、コースデザイナーは障害物と障害物の間の距離も考えます。標準的な5歩の距離よりも少し長めだったり、あるいは短めだったり。選手は自分の足で歩きながらその距離を測って、ここは歩幅を小さくして6歩で行こう、とか、歩幅を大きくして4歩で行こう、などの作戦を立て、前の障害物を飛越して着地した瞬間から、歩幅のコントロールをしているのです。そのトレーニングの一つとして、2つの障害間を6歩で行ったり、7歩で行ったりというコントロールも実際に見せてもらいました。

ただ、コースを回る順番を覚えれば馬が飛んでくれる、というものではなく、選手がいかにしっかり作戦を立てるか、そしてそれを実行するために馬に正しい指示を出すかが勝負の行方にかかわってくるんですね。

  ゆっかーの馬術講座 vol.1『01.障害馬術とは』

馬場馬術は、私がずっと取り組んでいた種目です。馬に乗って行うフィギュアスケートと言われることもあり、馬が難しいステップを踏んだり、図形を描いたりして、動きの美しさや正確さを競います。オリンピックでは、「グランプリ」という最高難度の演技をするのですが、そこにはすごいワザがたくさんあるんです。私が特に好きなのは「ピアッフェ」です。その場で足踏みをするような動きで、馬が踊っているみたいでとても可愛らしく見えるんですよ。

馬場馬術の実演はJRA馬事公苑所属の吉澤和紘選手とウィネトゥです。馬場馬術ならではの燕尾服。かっこいいですよね~。
まずは歩き方の基本から。「常歩(なみあし)」、「速歩(はやあし)」、「駈歩(かけあし)」の3種類があります。常歩は一番ゆっくりした歩き方で、4拍子のリズムです。速歩は2拍子のリズム。右前肢と左後肢、左前肢と右後肢という対角線上にある2本の肢が対になって動きます。駈歩は「たたたん、たたたん、たたたん……」という3拍子のリズムです。

このベースの歩き方の中で、歩幅を伸ばしたり、左右の肢を交差させながら斜めに進んだり、肢を高く上げてステップを踏んだりします。ポイントは、選手が一生懸命なところを見せないこと。もちろんすべての演技で、選手が馬に合図を送っているのですが、それを観客には見せず、馬が自ら楽しそうに踊っているように見せるんです。

私が競技していた時は、頭の中が「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」という感じで演技中に息が止まってしまうくらい。もう必死でした(笑) 。馬場馬術はちょっと難しい、という声を聞くこともありますが、世界のトップ選手が繰り出すワザを見たら、きっと「すごい!」と感動すると思います。そのワザを行うために選手がどんなことをしているのか、わずかな手綱さばきや体重移動に注目したり、心理面も想像しながら見ていただけたら馬場馬術はもっともっと楽しめる競技だと思います。

  ゆっかーの馬術講座 vol.1『02.馬場馬術とは』

総合馬術はとっても迫力のある種目で、馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の順に、同じ人馬が3日間で3種目を競う、「馬術のトライアスロン」です。

メインとなるのはクロスカントリーで、6kmくらいの長いコースを人馬が駆け抜けます。東京オリンピックは、暑さ対策もあって4.5kmに短縮されたそうです。それでも長いですよね。そのコースに38個も障害物があって、それを飛越しながら時速30kmを超えるスピードで走り切ります。ジャンプした後に水濠に飛び込んだり、丸太を積み上げたような障害物があったりと、人にも馬にも勇気と体力が必要です。

登場したのはJRA馬事公苑所属、吉澤和紘選手とマスターグレイのコンビです。吉澤選手はクロスカントリー用のプロテクターとヘルメットを身につけています。実演で吉澤選手とマスターグレイは、丸太の固定障害を続けて飛び越え、水濠にも果敢にザブン! その迫力に、見ていたみなさんから「おおっ」というどよめきが聞こえてきました。水濠に飛び込むときは、着地で馬が前方にのめって転ばないように、選手が後ろ側に体重をかけるなど、クロスカントリーならではの技術も求められます。

選手と馬との信頼関係も大事で、選手がミスをした時に馬がそれをカバーしてくれることもあるそうで、馬と乗り手は強い絆で結ばれています。選手に聞くと、ゴールした瞬間はとにかく「よく頑張ってくれた。ありがとう!」と馬への思いが溢れるそうですよ。 とっても迫力があってワクワクするクロスカントリー。ぜひ、生で競技を見てみたいと思いますが、さすがにチャレンジは……(笑)。

  ゆっかーの馬術講座 vol.1『03.総合馬術とは』

そして、最後に私も馬に乗って登場させていただきました。
私が乗せてもらったポートマジンは、元競走馬で今はJRA馬事公苑にいる馬です。

実は馬に乗ったのは3年ぶりくらいだったのですが、とってもいい子で、私の指示に耳を傾けてくれて、一生懸命動いてくれました。

練習時間も含め、久しぶりに長時間馬に乗ったので、とってもとっても楽しかったです。
ありがとう、ポートマジン!


馬術スペシャルアンバサダーとして、みなさんに馬術競技や馬の魅力をたくさん伝えたい。いつもそう思っています。

オリンピックに向けて、もっともっと大勢の方に馬術を知っていただき、興味を持っていただくために、これからも発信していきます。

新しいJRA馬事公苑のメインアリーナは、今、オリンピックのための仮設の観客席に囲まれています。私もチケットが当たったので、「自分の席はどこかな~」と思いながら、競技が行われているシーンを想像しました。あの場所でオリンピックが開かれ、世界中のトップ選手とトップホースが日本のみなさんに感動を与えてくれることを願っています。