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馬に乗り始めて1年、中学1年生のりこちゃんの馬術ストーリー。
Vol.02 「はじめの、はじめ!」

はじめて人馬!

はじめて人馬!

こんにちは、馬術ナビゲーターのりかです!
今日は、馬に乗り始めて1年のお友達、
りこちゃんの通う乗馬クラブにおじゃましてきました!
「はじめから道具をそろえる必要があるの?」「馬と、どうやってコミュニケーションをとるの?」そんな、馬術に関する気になるギモンを、りこちゃんと、りこちゃんのお母さんといっしょにお答えします。これから乗馬を始めよう、と思っているみんなはぜひチェックしてみてね。

はじめて人馬! 第2回

どんな道具、どんな格好?

さて、今週も元気に乗馬クラブへやってきた、りこちゃん。まずは乗馬をするための準備から。
前回の<vol1. 人馬、はじめました!>の記事で紹介した「体験乗馬」では、必要な道具は全部クラブで借りることができる、ということだったよね。その次、「もう一歩、先に進みたいな」と乗馬クラブでのレッスンを決意したら、一通り最初に買うべき?レンタルでもいいのかな?

りこちゃん ヘルメットとキュロット(乗馬用のズボン)、グローブ、チャップス、拍車(はくしゃ。ブーツのかかとに装着する、馬への合図を伝えやすくする道具)とショートブーツ。
これらは習いはじめて1年経った今、自分用のものを使っています。

お母さん クラブの先生と相談しながら段階的にそろえていく感じでした。本格的にレッスンを受けるにあたってまず用意したものは、ヘルメットと乗馬用のくつです。
特にヘルメットは、もしものときに頭部を守るために絶対に必要なので、乗馬クラブの先生とも相談しながら、自分の道具として最初に用意しました。その次が乗馬用のくつ。革製で、しっかりかかとがあるタイプのものです。

りこちゃん 乗り始めのころは底が平らなスニーカーで乗ることもありましたが、馬に乗る回数を増やす段階に入ったら、安全のためにしっかりかかとがあるくつが良いと教わりました。

うん、私もはじめはスニーカーだったな。でも底が平らなスニーカーだと、まれにあぶみの中まですっぽりと足が入ってしまいぬけなくなることがあって、その場合ケガの原因となることもあるんだって。かかとがあれば、あぶみの底にひっかかって、奥まですっぽり入る可能性が減るからね。

お母さん ひざ下まである乗馬用のブーツ(長靴・ちょうか)は格好良いのですが、成長期の場合、くつのサイズがどんどん大きくなるのでショートブーツのほうがリーズナブル。成長に合わせてぴったりしたサイズのくつをはく方が上達も早いと聞いたので、費用と上達速度のバランスを取って、りこはショートブーツ+チャップス、というスタイルで練習しています。

チャップスは足首からふくらはぎをおおう革製の装具。ショートブーツに被せる形でつければ、ほらこんな感じ!

それと、乗馬用のキュロットも早めに用意すると良いもののひとつ、と習ったよ。

りこちゃん 乗馬では、馬にまたがったときに、両あしで馬の体を「キュ」っとしめ付けて、その強さで馬に指示を出します。なので、キュロットの内側がゴムのような加工でデザインされていて、すべらないようになっています。それから、ぬい目が足の外側にあるので、長く馬に乗っていても自分の足が痛くならないし、馬にもやさしいです。

りこちゃんの乗馬用キュロットは、りこちゃんが大好きなピンクでデザインされていて、とってもかわいいの!
ファッションを楽しめるのも馬術の楽しみのひとつだよね。

りこちゃん これはグローブ。馬に手綱(たづな)を引っ張られたときに手が痛くならないようにつけます。むちゃくちゃ分厚いわけではないのですけれど、親指と人差し指の部分がじょうぶに作られていて、手綱(たづな)をぐいっと引っ張られても痛くならないし、手を守ってくれます。

お母さん あと、練習に必要なものは、プロテクター。エアバッグが入っていて、落馬したとき、ふくらんで身体を守ってくれます。プロテクターはある程度の段階まではレンタルでもだいじょうぶ、とのことで、乗馬クラブでお借りしています。

りこちゃん このひもが鞍につながっていて、落馬して空中に投げ出されると引っ張られてエアバッグがパッとふくらむ仕組みです。

上達具合で、クラブの先生やスタッフと話し合うのが良いかもね。

お母さん 今はインターネットで道具は簡単に見つかります。実際のサイズ感や質感、フィット感などは実際に手に取って見た方がやっぱり分かりやすいので、近くにお店がある場合は実物を見に行くことをおすすめします。
特に安全に関わる用具については、正しい装着方法や使い勝手について、その用具のことをよく知っているスタッフやクラブの先ぱいの意見も聞きながら、自分に合ったものを選ぶほうが良いと思います。そうやって道具について話すことで、先生やスタッフの方とのコミュニケーションも取れますしね。

馬とのコミュニケーション

さあ、馬に乗る準備ができました!次は、厩舎(きゅうしゃ。馬のお部屋)に馬をおむかえにいきます。本日の練習パートナー馬は、北海道出身の“じゃが”くん(21才)!マイペースでおだやかな、とってもかわいいおじいちゃん馬なんだって。

はじめて人馬!

りこちゃん まず、馬とコミュニケーションをとる際に、絶対に守ってほしいことがあります。
馬の真後ろには絶対に近づかないこと。基本的に馬はおとなしい動物だけど、せんさいでおくびょうなところがあるので、驚かせるとこわがって暴れてしまうこともあります。けられてしまうと大ケガをすることも。人のためにも、馬のためにも、はじめに教わることです。

馬は、ビニールぶくろのガサガサッという音や、傘をバッと開く音にビクッと反応することがあるの。写真をとるときは、シャッター音は消してさつえいしてね。見学や体験のときはクラブのスタッフさんの指示に従って、安全に乗馬を楽しむようにしよう。

りこちゃん 馬の横前方から近づいて、正面だと馬がきんちょうするので横に立って、目があったり馬がこっちを見て、馬がこちらを認識したことが確認できたら、低めの声でゆっくり名前を呼んで、馬が「いいよ」ってしてくれるのを待ちます。馬がこちらを見た後、ぼーっとしているようなら、「さわっていいよ」って合図です。「いいよ」ってなる前にさわると、馬はおこったりします。耳をぺたんっとふせているときは、いやがってるときです。わかりやすいです。

そうなんだよね。馬がこちらを確認したあと、何事もなかったように立ってたら、無視されてるわけじゃなくて「いいよ」って意味なの。「え?ほんとにそれでわかるの?」と思うかもしれないけど、すぐわかるようになるよ。

りこちゃん 馬が「いいよ」としてくれたら、首やこしを手のひら全体で優しくふれます。
馬をさわっていて一番好きな場所は首のところです。こうやってポンポンとたたくようにさわってあげると、とても気持ちよさそうにしてくれるので、うれしいです。

りこちゃん あと、こうやって鼻すじのところをなでてあげるのも、“じゃが”はとっても喜んでくれます。

馬術の何が楽しいって、何よりまず「馬がかわいい」ってこと!馬が気持ちよさそうにしてると、なんとも平和な、ゆったりした空気が流れて…馬とスキンシップをするのは、とても幸せな時間なんだ。

りこちゃん あと、首筋。とても良いにおいがするし、毛並みのところはさらさらしていて手ざわりがすごく好きです。その表情や様子を見てるだけであきないし、ホントにかわいくて。なでているこちらがいやされています。
もっと、もっと馬と仲良くなるために、いつか馬のお手入れもトライしたいです。

そうそう。馬と仲良くなるための方法のひとつに、「馬のお手入れ」があるんだ。
りこちゃんの通う乗馬クラブでは、生徒は馬のお手入れをしないスタイル(*)なので、ここでは道具やお手入れの方法を簡単に説明するね。

馬のお手入れの第一歩は、話しかけながらブラッシングして、馬の体をきれいにしてあげること。
いろんな種類のブラシを使い分けてブラッシングしてあげると、馬はとっても気持ちよさそうにして喜んでくれるの。ブラッシングはマッサージの効果もあるんだって。 ブラシにはいろんな種類があるんだよ。

はじめて人馬!

真ん中は「あせこき」。これもブラシと同じ使い方で毛並みに沿って動かすことで、馬の体についたあせや雨などの水分を水切りしてあげる効果があるの。熱い夏には馬に水をかけて洗って上げることも多いので、よく使われる道具ね。

右側のは鉄爪(てっぴ)という道具で、どろをかき出す爪のようなピックの部分とブラシが付いていて、馬の蹄(ひづめ)の裏側にたまったどろやおがくずなどを取り除いてきれいにすることができるの。

*<説明>
クラブの生徒がどのようなスタイルで馬のお手入れにたずさわるか、については、乗馬クラブごとにやり方やルールがちがいます。 まずは乗ることに集中して技術を上げていってほしい、との考えから、生徒が直接馬のお世話をすることはなく、乗馬クラブのスタッフが馬の手入れを行うところもあれば、ふだんから、馬とのスキンシップを増やし、コミュニケーションをとった方が上達も早い、という考えから、スタッフ立ち会いのもと、積極的に馬のお手入れを会員が行うクラブもあります。

はじめて人馬!

全国乗馬倶楽部振興協会

服装や装具は、クラブでスタッフさんや先生、先ぱいに相談しながら、上達レベルに合わせて用意するのがベスト!
馬とのコミュニケーションは、ゆっくり、あせらず、安心させてあげることが重要!馬の反応を見ながらたくさんふれ合って仲良くなってね。
お手入れについては、乗馬クラブごとに方針があるから、体験乗馬で話をいろいろ聞いて、自分に合ったクラブを選んでね。

次回!いよいよ、はじめはどんな練習をするか、紹介するよ!
お楽しみに。

取材・撮影協力 
平沢ライディングガーデン

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